大豆の七変化
大豆を食べる工夫〜
栄養満点の大豆も消化吸収が悪いのが玉にキズ。
先人たちは、この欠点を補ってあまりある加工法を考えだしました。大豆とその加工品を下にまとめてみました。

大豆


特徴 
栄養価は高いが、繊維質が多く、組織もかたく消化が悪いので、消化をよくする工夫が必要である。
そのためには1.皮を除く。
2.子葉の組織をこわす(粉砕して大豆粉にする。3.微生物によって分解するなどがある。

栄養 
主成分はたんぱく質、脂質、炭水化物。ビタミンB群やサポニン、レシチンに富む。
調理 
五目まめには黄色が、正月用の煮豆には黒豆が使われ     る。また豆腐、納豆、味噌、しょうゆ、大豆油、きな粉などに加工される。
一口メモ 
   
自給率は低く、大部分を米国や中国から輸入。未熟豆は枝豆である。

きな粉


特徴 
いった大豆をひいて粉にしたもので大豆よりも消化がよい。さらに生大豆粉よりもいってあるものの方が消化がよい。
栄養
 大豆の成分とほぼ変わらない。
調理
 おはぎ、団子、わらびもちなどの和菓子に用いられる他、ケーキやクッキーにも入れる場合もある。
一口メモ
 黄大豆の黄色のきな粉と、青大豆のうぐいすきな粉とがある。

豆腐類

特徴
大豆から豆乳をつくり、にがりなどの凝固剤を入れて固めたもの。
栄養
主成分はタンパク質と脂質。
調理
汁ものや鍋物の具に使う他、冷ややっこ、湯豆腐、揚げだし豆腐、麻婆豆腐などに用いる。
一口メモ
使用する凝固剤によって栄養価が異なる。
  大豆のタンパク質を凝固させるため、不消化性が改善され、消化がよい。消化吸収率が95%。

木綿豆腐


大豆をつぶしてタンパク質を水に溶かしだし、おからを分離して豆乳を作る。これに凝固剤として、硫酸カルシウムを加えると出てくる白い凝固物を集め、穴のある布引の型で整形したものである。昔から製造され、タンパク質供給源としてわが国では欠かせない食品の一つとして親しまれている。タンパク質の消化率はとてもよい。

絹ごし豆腐


絹ごし豆腐は濃厚な豆乳に凝固剤(グルコデルタラクトン)を加え穴のない布引の型で全体を凝固させたもの。

ソフト木綿
木綿と絹ごしの中間の濃さの豆乳を使い、木綿の型で固めたもの。

充填豆腐
絹ごしと同程度の濃さの豆乳を使い、容器に充填後凝固させたもの。

沖縄豆腐、ゆし豆腐、豆腐よう
沖縄独特の豆腐およびその加工品

焼き豆腐


水きりした木綿豆腐をバーナーで焼いたもの。

凍り豆腐


豆腐を脱水・凍結後、乾燥させたもの。

油揚げ類

特徴
 豆腐を切り、油で揚げたもの。
栄養
 豆腐に比べると、脂質が多くなるが、大豆の成分はほぼ変わらない。
調理
 煮物、炒めもの、焼きつけ、おでん種や汁ものの具に用いる。

一口メモ
 豆腐の切り方、揚げ方などによって、生揚げ、油揚げ、がんもどきなどにわけられる。調理の際は熱湯をかけ、油抜きをして使うとよい。

生揚げ


豆腐を厚めに切って、油で揚げたもの。『厚揚げ』ともいう。

油揚げ


豆腐を薄く切って、二度揚げしたもの。『薄揚げ』ともいう。

がんもどき


豆腐の水分を絞ってくずし、すりおろしたやまいものいもと野菜、ごま、昆布などを加え、丸めて揚げたもの。

おから


特徴
豆腐の製造過程でできる豆乳を搾ったかす。
栄養
カルシウム、食物繊維に富む。

豆乳


特徴
豆腐の製造過程で、おからを除いた後の、乳濁液のこと。豆腐の原料液となる。
栄養
 主な成分はタンパク質、脂質。消化吸収がよい。

湯葉


濃いめの豆乳を沸騰しないように静かに加熱し、表面にできるタンパク質の薄膜をすくいあげたもの。
タンパク質、脂質に富む

納豆類

加工法
 大豆を蒸して納豆菌をかけて生育させ、1〜2日40℃くらいの室で発酵させて作る。昔はわらなどに包んで作られたが、現在では衛生上から殺菌した容器に入れられてつくられるものがおおい。

栄養
 ビタミンB
、食物繊維に富み、消化吸収率がよく、血栓溶解酵素ナットウキナーゼを含む。

一口メモ
 発酵によって生じたグルタミン酸が納豆の旨味となる。

糸引き納豆


独特の粘りけがあって、糸を引く。納豆菌が生きているので、保存期間が短い。普通の納豆、挽きわり納豆、五斗納豆がある。

挽きわり納豆


大豆の皮をとってきざんだもの。

五斗納豆
挽き割り納豆に米こうじ、塩を加えて発酵させたもの。

寺納豆


大豆からこうじをつくり、塩水をく加えて数か月以上熟成させて、乾燥させたもの。『塩辛納豆』『浜納豆』という。

醤油(しょうゆ)
大豆や大麦を原料として、こうじ菌を生育させてもろみをつくり、濃厚な食塩存在下で発酵・熟成させる。その間には他の有用な微生物を繁殖させ、味と香りの成分をつくり、しぼった液を殺菌したものである。各種アミノ酸と食塩の味が混和したものである。ふつうに用いられるしょうゆは濃い口しょうゆとよばれ、ほかには色をうすく仕上げるときに用いられる薄口しょうゆもある。また、塩分量を特別に少なくした減塩しょうゆも製造・市販されている。

*新栄養士課程講座 改訂 調理学/川端晶子、畑 明美著 (KENPAKUSHA)
*食物 (教科書)実教出版
*2001 新食品成分表 FOODS(一橋出版)